「検定を受けようと決めたけれど、道具は何から買えばいいの?」。ネイリストを目指す方から、いちばん多く届く質問です。
ネイル用品は種類が多く、値段の幅も大きいもの。全部そろえようとすると、練習を始める前に予算が尽きてしまいます。
この記事では、ネイリスト技能検定3級の練習にまずそろえる4点と、試験に向けて足していく道具、費用の目安を整理します。今日買うものと後回しでいいものが、分けられるようになりますよ。
検定の道具は「試験に持ち込むもの」と「練習用の道具」に分かれます
買い物リストを作る前に、この2つを分けてください。ここを混ぜてしまうと、無駄買いが一気に増えます。
試験に持ち込む道具は、主催団体(JNEC)の試験要項で細かく決められています。指定された形状のものしか使えなかったり、持ち込みが禁止されていたりする道具もあるのです。
いっぽう、練習で使う道具は自由。まず練習用の土台をそろえ、試験が近づいたら要項に合わせて足していく。この順番がいちばんお金を無駄にしません。
そもそも検定にどんな種類があるのか整理したい方は、ネイリストになるには?未経験から働き始めるまでの4ルートと費用の目安もあわせて読んでみてください。
練習を始める前にそろえたい4点
3級の実技は、ネイルケアとカラーリングが中心です。試験内容そのものはネイリスト技能検定3級とは?試験内容・合格率・合格までの勉強時間を解説にまとめています。
1. トレーニングハンド(練習用の手のモデル)
自分の手だけでは、両手ぶんの練習ができません。利き手で利き手を塗ることはできないからです。
選ぶときは、爪のチップを差し替えられるタイプかどうかを必ず見てください。爪が本体と一体になっているものは、ファイルをかけると削れて元に戻せません。数回の練習で買い直しになります。
ひとつ注意点があります。トレーニングハンドには甘皮がないので、ケアの練習には使えません。使うのはカラーリングの練習と、手を持つ角度に慣れる用途です。ケアは家族や友人の手で練習しましょう。
参考までに、おすすめのトレーニングハンドを2タイプ載せておきますね。1つ目は右手まるごとのタイプで、手の角度をつかむ練習に向いています。2つ目は指だけが5本セットになったマグネットタイプで、1本ずつ外して塗る練習ができます。
右手まるごとタイプ
指だけ5本セット(マグネットタイプ)
2. 練習用チップ(チップスタンドは不要)
チップは消耗品です。同じチップに塗って落としてを繰り返すと、表面が荒れてムラの原因になります。
50〜100本入りの袋で買っておくと、練習が途中で止まりません。
ただし、検定に向けたカラーリングやアートの練習は、チップ単体に塗るのではなく、トレーニングハンドにチップを付けて行ってください。試験で問われるのは、人の指を握って塗る角度と持ち方です。チップだけで練習すると、本番で手の向きに戸惑います。
そのため、チップスタンド(塗ったチップを立てて乾かす台)は検定の練習には必要ありません。
余談ですが、サロンで見本のサンプルチップを作るときには、チップを立てる台が役に立ちます。私は専用品ではなく、透明の壁掛けフックで代用しています。100円ショップのもので十分ですよ。
フックの先に粘着ねんど(貼ってはがせるソフト粘着剤)を少しつけて、チップを押しつけて固定します。ぐらつかず、塗り終わったらそのまま外せるので、サンプル作りがはかどります。ネイリストになってから使う場面が出てくる道具なので、頭の片隅に置いておいてくださいね。
3. ファイルとバッファー
爪の長さと形を整えるファイル(爪やすり)は、グリット(目の粗さを表す数字)ごとの使い分けが基本。
3級では、10本の爪をそろった形に整えられているかが見られます。まずは中間の粗さを1本、表面をなめらかにするスポンジバッファーを1本。この2本から始めれば十分でしょう。
グリット数の目安と最初にそろえる本数は、ネイルファイル(爪やすり)の選び方|グリット数の目安と最初にそろえる3本で詳しく解説しています。
4. ニッパーとプッシャー
ケアで使う2点です。プッシャーで甘皮をやさしく押し上げ、ニッパーで不要になった部分だけを取り除きます。
ニッパーは切れ味がそのまま仕上がりに出る道具。刃がきちんと噛み合っていないものだと、皮膚を切らずに引っぱってしまい、出血や痛みにつながります。最初の予算はここに回してください。
プッシャーは金属製とセラミック製があります。力加減がつかみにくいうちは、当たりのやわらかいセラミック製が扱いやすいはず。
試験に向けて足していく道具
練習の土台ができたら、試験当日の持ち物をそろえていきます。3級で使う主なものは次のとおり。
- 消毒剤とコットン、ワイプ類
- ベースコート、カラーポリッシュ(赤系)、トップコート
- ダッパー(消毒液を入れる小さな容器)
- フィンガーボウル、キッチンペーパー、タオル
- ゴミ袋、モデルの手を置くクッションやアームレスト
ただし、持ち物の細かい指定は回ごとに変わります。カラーの色みが指定されたり、ある道具が持ち込み禁止になったりすることもあるのです。
買いそろえる前に、必ずJNECの公式サイトで最新の試験要項を確認してください。要項の読み落としは、実力とは関係のないところで減点につながります。
費用の目安|個別にそろえるか、まとめて買うか
練習用の4点だけなら、数千円から1万円台に収まることが多いです。ニッパーにどこまで予算をかけるかで金額が動きます。
そこにポリッシュやケア用品を足していくと、3級の受験までで2〜3万円台というのが現実的な線でしょう。受験料は別にかかります。
もうひとつの方法が、教材にキットが含まれる通信講座を使うこと。道具選びで迷わずに始められる代わりに、中身は自分では選べません。受講料に何が含まれているかを、資料請求で確認してから決めるのが安全です。
講座ごとの費用の考え方は、ネイル通信講座の費用相場|10万円台までで資格が目指せる講座の選び方にまとめました。
※費用は2026年8月時点の目安です。最新の金額は各販売店・各講座の公式サイトでご確認ください。
よくある質問
Q. 自分の手だけで練習してもいいですか?
始めたばかりの時期なら問題ありません。ただし3級は、モデルの手に施術する試験です。人の手は自分の手と角度も力の入れ方も違います。トレーニングハンドか、家族・友人の手で練習する時間を早めに作っておきましょう。
Q. 道具のメーカーはそろえたほうがいいですか?
ファイルやニッパーなどのケア用品は、ばらばらでもかまいません。そろえたほうが安心なのはベースコート・カラー・トップコートの3つ。同じシリーズだと、はじきや縮みといったトラブルの心配が減ります。
Q. セルフネイル用に持っている道具は検定でも使えますか?
使えるものも多いです。ファイルやプッシャーは、状態がよければそのまま練習に回せます。ただし試験で使う道具には形状や種類の決まりがあるため、買い足す前に手持ちのものと試験要項を照らし合わせてください。
まとめ
- 道具は「練習用」と「試験に持ち込むもの」に分けて考える
- まずはトレーニングハンド・練習用チップ・ファイル・ニッパーの4点から
- トレーニングハンドは爪を交換できるタイプ、ニッパーは切れ味で選ぶ
- 試験当日の持ち物は回ごとに変わるので、必ず最新の試験要項を確認する
- 個別にそろえるなら受験までで2〜3万円台、キット付き講座なら中身を先に確認する
そろえる順番さえ間違えなければ、道具は少しずつ増やしていけば大丈夫です。
まずは受けたい試験の要項を開いて、手元にあるものとないものに印をつけてみてください。買い物リストは、そのあとで自然にできあがります。


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